ハァ ハァ まだ…追ってきやがる ハァ ハァ クソッタレ… ハァ ハァ
俺は競歩をこよなく愛する男 小学生の頃から毎日の日課だ
言うなれば競歩があるからこそ生きているって過言ではない。
俺のホームグラウンドの山之上公園で俺はかなり有名人だ。芸能人でいえば田代まさしってところかな?いかんいかんイカンガー!何をやっているのか分からないのだが有名って事だ
俺が競歩をはじめると散歩中の人やデートをしている若人も必ずどけてくれるのだ。
しかし今俺の後ろを新入りが競歩でついてきている…
これはこの山之上公園の主の俺様に対する宣戦布告であ〜る バザ〜ル 最近気に入っているのでござ〜る
それはそうとこんな新人に負けたとあっては俺は二度とこの公園を我が物顔で歩くことができない 必ずか〜つ!
俺は体内ギアをローからセカンドへ入れた!ウギャォゥ パワーが満ち溢れるぜ!
その勢いを殺さずにサードへの華麗なるギア捌き!俺は自分の尻の筋肉がキュッ!と上がるのを感じていた。
こんなに競歩で燃えたのは痴漢と間違われた時以来だ。俺は遥か彼方へと置いてかれた後ろの奴を笑ってやろうと後ろを見た!
おぎゃおう! なんと奴も必死になってついてきているではないか!
とうとう俺様を本気にさせましたね…
俺はいつか使うと思いポッケに忍ばせておいたゲーセンのUFOキャッチャーで取った仙豆を取り出し一個食った!
フオォォォォォ!って全然力湧かないし普通に美味いだけじゃん!
ヤバイ マジ ヤバイ 俺は仙豆を鼻に詰め奴に向かって撃ちまくった
そのうちの一個が奴の開いた口の中へ!
ヤバイ マジ ヤバイ 仙豆の効果なのか怒りなのか奴がスピードアップしているじゃないか!
おまけに俺のエンジンの調子が悪くなってきたぞ〜
腹がグルグル変な異音を発してる!ヤベー これは直感的にヤバイと思う腹の音だ
普段の俺ならばすぐにトイレに駆け込むレベルmaxだがこれは俺の人生をかけた戦いだから
簡単に行くわけにはいかねぇ
最後まで持ってくれよ 俺のエンジンよ〜
俺は尻の力を弱めると大変な事になりそうなので、いつにもまして尻をキュッ!キュッ!と力を入れて持ち上げた。
レースは最終コーナーに差し掛かっていた。
俺の意識もすでに朦朧となっていたんだ。しかし俺をここまで奮い立たせているのは
きっと自分のプライドだけだったのだろう
俺は薄れゆく意識の中で いつも通っているSMクラブにいたんだ。
ペシッ!ペシッ!この甲斐性無しがぁぁペシッ!ペシッ!このブサオがぁぁ!
あぁぁぁ女王様あぁあぁ もっとぶって〜〜〜っ
はっ!っと俺は意識を取り戻した!俺はこんなところで負ける男なんかじゃねぇ!
俺はナウでヤングにバカウケな競歩マスターなんだ!
メキメキメキメキーーー!ブリブリブリーーー!
その時なにかが弾けたんだ!俺の中の何かが!よくわからんが尻のほうで!!
俺の隠されたターボが作動したんだ!
ターボがかかった俺は悪臭を放ちながら一筋の光となりゴールを飛び越え池の中へ…
周りからは さすが!とばかりの拍手喝采!
俺の後ろを走っていた奴も 参りました!とばかりに一礼して去って行った。
まだまだ新参者には負けれんな〜と思いその場をさった俺だった。
次の日新聞に”山之上公園の池で何者かが毒を捲いたのか池の生物が全滅”と書いてあった。
もしかして俺の…ターボ?