車のラジオから聞こえてくる芸能ニュースで 岡田准一 蒼井優 熱愛発覚か?と言っている
俺「お客さん V6の岡田君が熱愛発覚ってデスヨ!ジャニーズでも今はオープンになったんですかね〜」
客「…」
また無視かよ…
俺はタクシードライバーだ。最近の客はこっちが話を弾ませようとしても興味が無い話には一切乗ってこない
しかしこの女の客何か変だ。雨も降っていないのにずぶ濡れだ
それも墓地からの乗車だ。
そうだ…きっとこの客… お供え泥棒なんだ…
お供え物を食べようとして罰が当たりコケて水溜りにでも落ちたんだ。
俺はそう とんでもないお客を乗せてるんだ…
客「そこの角の家で降ろしてください…」かすかな声で客はつぶやいた。
車を止めると葬式の真っ最中だった。
客「お金を取りに行ってきますので待っててください…」
そういい残すと その家の中へと入っていった。
それから数十分待ったかな 一向に出てくる気配の無いお客に痺れを切らした俺は
「すみませーん 御代はまだですか〜?」と言って入っていくと
そこには 先ほどまで車に乗せてきた女性の葬式だった。
俺は「くぉぉぉるらぁぁぁぁぁ! この俺から金を騙くらかすつもりかぁぁぁ!
おんどりゃぁぁぁ!めんどりゃぁぁぁ! ふざけてネェで 有り金全部だせや コラー!」
俺は今までのストレスからか普段嫁から能無しと苛められているせいか 久々に切れた俺がいた
俺は普段怒りを誰かに見せることに慣れていないので どう怒りを表現してよいのか分からなかった。
ちょっと気がふれた状態の俺はいつしか「コケーッ!コッコッコッコー!コケーッ!コッコッコッコー! クック ドゥルドゥルドゥー!」と 今にも口ばしで つつきそうな勢いで走り回っていた。
最後の最後まで事情の分からなかった喪主らは 俺のことを物本のヤバイ人と思ったらしく
俺の要求した1020円と祭壇に飾ってあったフルーツの盛り合わせをくれた。
俺はその中に入っていたバナナを食べながら会社へと向かった。
やはり、おんどりゃぁぁぁ!めんどりゃぁぁぁ!は言う必要なかったなと反省しながら・・・